編入生-東 真那 ⑷

 私、この学校では『天才』らしい。たまたま入学試験のヤマが当たって、たまたま満点を取っただけなの高校デビュー早々に優等生のバッチがつけられた。
「わ、私はたまたまだから。でも凄いね、その編入生さん」
編入試験満点って……、どんな知能指数しているの?
「うん。並の知能指数じゃないわね」
「それで名前は? 」
「たしか、あず……。あ!チャイムだよ、加奈」
紗江に引っ張られて教室に向かった。
教室に入り、着席する。
学級委員の号令で挨拶をした後に担任の先生から告げられた。
「今日からこのクラスに編入生が入ります。ご存知の通り、この方は我が校の編入試験満点という快挙を達成しました。西野さん、いいライバルになるかもしれませんね」
後付けで私を名指しにしなくても。
名指しされる度に悪いことをした感じになるよ。
「それでは入りなさい、東さん」
ガラ。
黒髪のロングヘアー、赤縁の眼鏡、そして一瞬だけど私に意識的に向けるキツイ視線。
背は目測で150cmぐらいかな。
私よりも低い。
「初めまして。あずま 真那まなです。今迄は身体の不調もあって一年ぐらい入退院していました」
真那はそう言う。
皆は響めきと珍しい目で真那を見ていた。
「意外にかわいいね、あの編入生」
最後尾で真後ろの席の紗江が小声で私に耳打ちをする。
「紗江のタイプ? 私から乗り換える? 」
揶揄からかう。
「な、何言ってるのさ! 私は加奈の方が好き」
「あっそ。ありがとうね」
微笑む。

真那が何か先生に話している。席のことかな?
先生も見渡している。
うん?
こっち見ているよ。
「席は西野さんの隣が空いているからそこね」
「はい」
って……、イヤだなあ〜。
真那はさっさときた。
「よろしくお願いします、西野さん」
「え、ええ。よろしくね、東さん」
真那のかよ細い右手に握手をして他人行儀な挨拶をしてしまった。