目指す未来に ⑷

すると電話越しの老女らしき人は言う。「うふふ、そっくりね。園風さんがあなたを跡継ぎと指名したのがわかったわ」微笑しているのが分かる。「あなた、今はアトリエ?」「えぇ、あの聞いてもいいですか?」「なぁに?」「祖母とあなたの関係です」思い切って尋ねた。

「そうね。敢えて言えば先生と生徒…ある時はお客とマスター…ある時は親友と言うところかしら」柔らかく優しい。受話器から聞こえる声から感じた。祖母が時々話していた「先生」に間違いない。「あなたがいるその場所、園風さんが画家さんとして使えるようになる迄は私が使っていたアトリエなのよ。私が場所を借りた家賃であなたが引き継いだ喫茶店を営業していたのよ、園風さん」え?家賃だけで?「あなたが戸惑うのが分かるわ。あなたも知っている通り喫茶店 香風は一人のお客様の話を聞くのが報酬。だから喫茶店の収入は現実的には無いわ」やはり。「だから私が提案したの。私が借りることと今後の収入源として画家になることを条件として園田さんには頑張ってもらったわ」そうだったんだ。絵を見て理解した。椅子とイーゼルが二人分ある意味が。