紗江の告白 ⑹

さ、紗江⁇
「ゔ、う……」
更に紗江の舌が私の口の中で絡めてくる。
どうしちゃったの? ねぇ。
私の舌も私の意識に反して応えている。
「うん、う……ん」
何回かお互いの舌を出し入れ絡める。
唇を離したらお互いの唾が糸のように引いていた。
「ご、ごめん」
紗江が謝った。
「謝るなら……しないでよ」
「ごめん」
「謝ると恥ずかしくなるじゃない! 初キスだったんだからね! まさか紗江だとは思わなかったけど……」
本当にマトモに顔が見れない!
紗江が言った。
「好き、加奈。「お付き合いをしてください」と前から言おうと思っていた。順番が逆になったけど」
え〜!
頭が真っ白になった。
「今日はこれで帰るね。返事は何時でもいいから」
紗江は駈歩に帰っちゃった。
「う……ウソ」
腰が砕けた感じにペタンと座り込んでしまった。

その一部始終を公園の塀から見ていた人物がいた。
真那である。
正確には投影された真那の映像だ。
ギリと唇を噛み締める。
「佐倉紗江……、彼女もまた運命の一人」
つぶやいた瞬間、吹き付ける風と共に消えた。