古の巫女と『鏡』 ⑴

今日は本当に色々とあった。
本物の真那がクラスメイトとして現れて紗江とキスをして……。
と、紗江の唇……柔らかかったなぁ〜。
湯船に浸かって唇に指を当てた。
「紗江……女の子同士だよ、私達。恋や愛が成立すると思っているの? 」
何度思い出しても身体が熱くなっていく。
ブクブクブクと顔を沈める。
「ぷふぁ! はぁはぁはぁ……」
いっぱい考えれば考える程におかしくなりそう。
逆上せ気味になってお風呂から上がり露わな姿のままベッドに横になった。
「こら! パジャマ着なきゃ風邪になるよ! 」
ママの声が聞こえてきたたけど、耳に入っていなかった。反対に風邪になって学校休みたいなぁ〜と思っていた。
「風邪で休んだら普通の生活に戻るかなぁ」
真那がいなくて紗江も私に普通に接している普通の生活がいいなぁ。
真那が……あの時の夢から何かが変わった?
うーん。わからない。
夜の冷えた空気が開いた窓から流れ込む。
「月って、こんなに綺麗だったんだ」
見え隠れする月を眺めていた。

グワン‼︎

頭先から足の指まで一瞬身体が揺れた。
な、何⁈
次第に大きくなっていく。
身体が利かない。
「加奈……いえもう一人の貴女……」
微かに見えるが真那がいるコトだけは分かった。
「もうすぐ醒めるわ。失敗するかと思っていたけど」
「ま、真那……貴女……」
「加奈、言ったよね。私の言葉が本当か嘘かを確認するって。今、貴女は身体に宿るもう一人の貴女……古の巫女の鼓動を感じているのよ」
「お、お願い。止めて」
「じき終わるわ」
バタン!
ベッドに強く叩きつけられた。
こんなにも暴れているのに誰も気付いていないの?
はぁ……はぁ……はぁ……。
「どう、気分は」
「私の裸を見にきたの? 」
「違うわ。私が用があるのはもう一人の貴女……」
あの『鏡』を私の顔に向けた。
「加奈、貴女にも分かるように意識だけは残るようにするわ。今からもう一人の貴女に色々と話してもらうから」
「貴女……本当に真那なの? 」
「違う。東真那の身体を借りているもう一人の真那。私もまた古の巫女の一人。東の巫女と言われていたわ」
一体、古の巫女ってなんなのよ!
次第に自分がどんどんと暗闇に包まれていくのだけは分かった。その狭間にすれ違うように私にそっくりの私が光の方へいくのが分かった。
「あれがもう一人の私……? 」
夢の中に入っていくようだった。