古の巫女と『鏡』 ⑶

「ねー、ここは? 」
瞬きの間に着いた。
山々に囲まれた石で出来たピラミッドらしい建造物がある。
少し違うのは立方体で出来ている。
建造物の前には鳥居みたいな囲いが幾つも立ち並ぶ。
「ここは昔の日本。正確にはまだ『村』が無数に存在していた時代」
もう一人の私が話す。
「私達はその頃にこの星に入った。それまでは船から観察していた」
船?
観察?
「ますますわからない」
もう一人の真那が話す。
「貴女や真那から見れば地球外生物。つまり宇宙……いや、この宇宙の外からきた種族。更にこの宇宙も私達のある試みで生まれた」
頭が真っ白ですけど。
「話が飛びすぎて頭の中がパニックだわ」
「なら次に行きましょう」
私の分身が私と真那の分身の手を握り、また消える。
次に目の前に見たものは……有り得ない空間だった。
「う、宇宙空間⁇ 」
「違う。宇宙外空間。わかりやすく言えば私達の船から見た宇宙」
地球が米粒以下しか見えないかもしれない。地球から見れば無数の星も身近に見たら岩が浮遊している。
「ところで加奈はエネルギーと言えば何を連想する? 」
もう一人の私がいきなり学校の授業みたいな質問をした。
「電気かなぁ? 」
「その電気は何から出来ている? 」
「火、水、風、太陽光、原子力…かな? 」
「そう。あなた達人間に必要なエネルギーの一つの電気だけでも地球が作るエネルギーが源になっている。それと一緒で私達もエネルギーの源がある」
「生きる為に? 」
「生きる…⁇ 私達は貴女のような『身体』がない。わかりやすい言葉で表現すると『精神』が私達。進化の果ての姿」
「実体がないってこと? 」
「そう。いずれあなた達人間も何回か進化を遂げた後……私達の仲間入りを果たすことになる。もちろん『精神』だけの世界に辿り着くでしょう。でもその時に『エネルギー』がないとなったらどうなると思う? 」
「絶滅……⁇ 」
「正確。私達の世界に使う『エネルギー』の源はこの宇宙を含めた全エネルギー。だけどこの宇宙を創造する前に私達の種は私達を含めて10個体になっていた。『エネルギー』を異常にも使いすぎた。そこで私達は貴女が住む地球を含めたこの空間を創り、私達の『エネルギー』の源になれる生物の登場を待った」
「それが人間? 」
「そう。正確には『感情のある生物』の誕生。喜怒哀楽と『感情』を表現する瞬間をエネルギーに転換する役割を果たす為に」
なんだか途方もない話になっている。
音のない空間が更に沈黙を誘う。
「貴女達の言う『鏡』と関係があるの? 」
嫌な予感しかないが問いかける。
もう一人の真那が言う。
「あの『鏡』は……私達であって私達ではない」
「え? エネルギーの収集じゃないの? 」
もう一人の私が割り込む。
「『鏡』の話の前に戻りましょうか」
また瞬きする間に最初の石殿らしい場所に戻る。