古の巫女と『鏡』⑹

「お互いの唇、胸、脚まで絡めた。上下から白濁る愛液も溢れた。周りの戦火なんて忘れた。やがて石殿も崩れ、私達の宿り主だった人間は死んだ。だが私達はやめなかった……やめられなかった」
せ、セックスってそんなにもスゴイの⁇
「気がつけば私達は物体に変化していた。後に卑弥が持つ『鏡』として。卑弥は私達……『鏡』の指示をよく聞いてくれた」
「聞いてくれた? 卑弥呼は鏡と会話をしていたの? 」
「ええ。正確には卑弥しか見えない映像を見せて。まぁ、『鏡』の成り立ちはここまで。だけどあの『鏡』は危険過ぎた。二人の能力が融合した原因もあるが『鏡』を狙った戦争が絶えなかった。目的のエネルギーも膨大な量を増やせたけど質が悪く人間の進歩を早くさせてしまった」
もう一人の真那も言う。
「早過ぎた進歩は必ず破滅する。急に膨れる風船のように割れる。だから私達は『鏡』の回収をすることにした。しかし、その後のそれぞれの宿り主は能力を使いこなせなかった。その間に『鏡』はこの星の時の支配者に渡り歩きながら割れていく。回収も難しくなっていた」
「でも私は半分あるよね? 真那が4分の1持って」
「加奈が半分あるのは先の大戦後に加奈のお爺さんが持っていたのよ。加奈が私の能力を無意識のうちに出していた瞬間に私が引き寄せたの」
お爺ちゃんが?
そんな話を聞いてないですけど。
「加奈のお爺さんは鏡を離さなかった。お爺さんのお墓の地下に埋めて。だけどまだ半分ある。それが気掛かりだった」
「『鏡』は全部揃うと何が出来るの? 」
「あの『鏡』はエネルギーの回収と戦争を仕掛ける。同時に革命のスピードを上げる。加奈の時代も実はもっと二百年ぐらい後にしたかった。この星のエネルギーが思いのほか少なすぎるのに人間の進歩にエネルギーを消費させてしまった。私達も計算外だった」
「貴女達は私に何をさせたくて見せたの? 」
「『鏡』の回収。それだけ」
もう一人の私が言うた。
「幸いに加奈の潜在的な能力は私を含めて超えている。あの『鏡』の回収後もコントロールが出来る可能性もある。私達は出来るだけ今の時代を維持したい。幸福のエネルギーを回収したいら」
なんだか私に責任があるみたいですけど。
「さあ。戻りましょう。真那が起きる」
もう一人の真那がもう一人の私に告げる。
「ええ。加奈も限界に近い」
私達三人は再び戻る為に消えた。