絵描きの夢は ⑻

言い切った途端に笑いが起こった。大笑いじゃないが他に客がいない店内に響き渡る。

「久しぶりに声を出して笑えたわ。貴女、実に面白い方ね。流石に祖母が選んだ主人だわ」私は水を少しだけ口につけた。渇きがあると味覚が変わる。しかし「祖母が選んだ?」「あら、聞いていない?」「はい」内容が違う?!「それじゃ仕方がないわね。祖母も悪い人。確かに私はスランプだけど、それはあくまでも個人的な事で技術的な事ではないわ」「…それでは一体」嫌な予感しかない。しかもそれは見事に当たる。