絵描きの夢は ⑼

「祖母は私にこう仰ったわ。貴女があの娘を画家にしなさい。と。そのうちに貴女が抱えているモノも無くなると」な、なるほど。あの人らしい。「私は画家にはなれませんよ? 絵は中学校の授業以来なので」そうだ、私は絵筆なんて振るわない。ただこうしてコーヒーを淹れて話を聞くだけの……。「ですよね。だから無理には言わない。今日は私の話を聞いてくれてありがとうございます」彼女は席を立ち、外へ向く。「ありがとうございました。またのお越しを」私は普通に見送った。

彼女は軽く会釈をした。ドアに手が触れる。カランと音が鳴り彼女は外に出た。