数日後 ⑶

はぁと吐く溜め息混じりの音でさえ響き渡るこの空間に私はいま、自分自身のコーヒーを淹れようとしている。ポコポコ鳴るポットの音に慌てガスを止めてサイフォンにお湯を注ぎアルコールランプを点灯させ、直ぐに上がってくるお湯をかき混ぜる。分離したコーヒー豆が次第に見えなくなっていく様は今の私自身のようだ。

今迄も一人は慣れているつもりでいた。日常には当たり前のように四方八方に渡り音や情報に満ち溢れていたから特に親しい友達も恋人もいない。つまりは寂しさを知らないまま一人を満期している状態が今の私だと思う。コーヒーが出来上がりカップに注ぎ、一粒の黒砂糖を落としスプーンで混ぜ口にした。