新たな持ち主? ⑷

 先生は金属バットを振り回しながら追いかける。同時に周りの生徒達も一斉に私を追いかける。
「明らかに加奈を狙っている」
「見たらわかるでしょ!貴女の能力でなんとかならないの?」
「なら代わるか?」
「疲れない程度にね。授業中に寝てしまうとヤバい」
「そんな…余裕があると思う?」
 そこをなんとかして欲しいの!授業中にあんな夢を見たくない。
「……わ、分かったわよ。くれぐれも程々にだよ。『鏡』、東さんに借りるんだから」
「成立だな」
 グン…!
 いきなり足を止める『私』。
「ようやく観念したか、西野」
 先生がバットを振り上げる。
『私』は一歩前に出て先生のお腹に手を添える。
 い、いきなりのピンチ!
「加奈、手加減……無理だ」
 えーーー!
 閃光が走った。
 同時に先生が吹き飛んだ。その勢いで追いかけていた数名の生徒達にも当たる。
「ん。久しぶりに使う割には鈍っていないな」
『私』は満足気。それでも怯まず襲いかかる集団にも『私』の腕の一振りで一歩手前で吹き飛んだ。
 す、凄いっ!!
 こんな場面、アニメやゲームの世界でしか見ていない。
 私は呆然と言葉がなかった。
「加奈、終わったから戻るぞ」
 え?
「え??」
 我を変える。
 同時に見る『惨事』を改めて見る。もう一人の『私』言い換えれば西の巫女のチカラだ。
「し、死んでいないでしょうね……警察沙汰は嫌だよ」
「大丈夫だ。加奈がココの敷地に入った瞬間に外部と接触が出来ないように閉じ込められている状態だ」
「学校に入った時に!?」
「そう……だから術者を見つけて止めないといけない。まぁ、倒れているあの連中はしばらくの間はこのまま寝てもらう」
「よ、よかったぁー」
 殺人犯にならなくて……。
「東の巫女…東真那を探そう」
「はいはい……」
 今一番会いたくない人の元に行くしかなかった。